新聞と学力には深い結びつきがある
新聞を読むと学力がアップすることをご存じですか?
日本新聞協会が実施した「NIE(新聞活用)の学習効果を調べるアンケート(2019年)」によると、同じ内容の学力テストにおいて、NIE実践校がNIEを実践していない学校の全国平均を上回る結果が出ました。
とくに注目すべきは「小学校国語」の分野で、NIE実践校は全国平均を4.0ポイントも上回りました。
このような結果から、新聞を学習に組み込むことは学力向上に繋がることがわかっています。
向上する能力は「読解力」
新聞を学習に取り入れることで向上が見込める能力は「読解力」です。
読解力は「読んだ文章の内容を理解する能力」であるため、主に国語の学力向上が見込めます。
しかし、読解力を鍛えることが有効的なのは国語だけでなく「算数」の分野でも大きな成長率を記録しました。
NIE実践校は、全国の学校と比較すると「小学校算数」の分野で1.5ポイントも成績を伸ばしているのです。
算数は計算能力が評価される教科だと思われがちですが、実は文章を理解して問題を解くためには読解力が欠かせません。
新聞を読み、文章への理解を深めることは、総合的な学力の向上において有益な結果を残すのです。
オススメの活用方法は「新聞スクラップ」
さらに深掘りして「新聞をどう活用すれば学力が向上するのか」を考えてみましょう。
新聞の活用方法としては「新聞スクラップ」が最もオススメされています。
新聞スクラップとは、生徒が自分自身で気になった記事を切り取り、記事に対する自分の考えや感想をコメントとして記入する学習方法です。
新聞スクラップをすることで「意識を持って文章を書く」ことができ「説得力のある意見を組み立てる」能力が身につきます。
とはいえ、小学校低学年のうちからしっかりとした意見を書くのは難しいのも事実。
最初は思うままに文章を書いてもらい、新聞や文章に慣れ親しんでもらうことから始めましょう。
読書でも同様の効果が得られる
世の中には新聞を購読していない家庭も多くあります。
そのような場合は「読書」がオススメです。
読書は新聞と同様に「読解力」が鍛えられるほか、集中力が高まり、自分で調べる能力を身につけることもできます。
また、読んだり調べたりして得た知識は友達との会話を広げる効果もあり、社交性が身につくというメリットも見受けられました。
新聞のようにスクラップすることは難しいですが、子供が気軽に本を読める環境があると学力向上に繋がる可能性が高いです。
子供の興味を応援することが大切
新聞や本を読むことで、学力向上が期待できます。
ただし、子供に興味がないのに無理に新聞や本を読ませることはオススメできません。
あくまで子供の興味が向いたら、その興味を支えてあげられるように、親が準備しておく程度にとどめておきましょう。
どうしても新聞や本に興味を持ってもらいたい場合は、まずは親が日常的に新聞や本を読む姿を見せることが大切なのではないでしょうか?